2022年9月 徒然なるままに
四国は音楽や合唱が大変盛んな県ですが、私も高校時代、良い先生に出会い、そのお蔭で歌の道へ進むきっかけとなりました。長年合唱コンクールの審査員にも携わってきましたが、皆でつくり上げてゆく合唱には計り知れない魅力があります。
ソリストとして舞台に立っている時にも合唱団の皆さんからは沢山のエネルギーをいただいています。
ベートーベンの「第九」だけでなく、オペラやオラトリオにおいても躍動感溢れる合唱シーンは、ドラマの進展に欠かせないものとなっているのです。
今年も第75回全日本合唱コンクール香川県大会(県合唱連盟、朝日新聞社主催)が7月31日、高松市のレクザムホールで開催され、小、中、高、大学職場一般の各部門に24団体が出場しました。県代表の16団体が決まり、9月3、4日に松山市のキャメリアホールで開かれる四国支部大会に出場すると聞いて大変嬉しく思っています。
全部門を通じた最優秀団体に坂出高が選ばれました。全国大会への連続出場に期待しています。
https://www.asahi.com/articles/ASQ7075CZQ70PTLC003.html
青春時代に歌ったメロディーというものが、きっと社会人になってもその時の光景とともに思い出されるものではないでしょうか。
中学、高校時代に打ち込んだことというのは、いくつになっても大切に思い出されることでしょう。
「関東松濤会」は関東地区を中心にした(北海道から中部地方)坂出高校卒業生の集まりです。
本年度は総会が第30回となりその記念の事業として、母校・在校生への支援活動の検討をすすめてきました。その結果、図書を寄贈することになり、このほど母校に「関東松濤会寄贈文庫」として整備収納されました。
https://www.kantoushoutoukai.com/「関東松濤会寄贈図書」
https://www.kantoushoutoukai.com/about/
関係各位に感謝申し上げるとともに次の世代に何を残せるかを考えながら、今後も活動を続けてゆきたいと存じます。
#関東松濤会
気がつけば、半世紀以上も歌を生業にしてきました。
その間、数多の素晴らしい方々に出会い、支えられてきたことに感謝しながら、art is long life is shortの言葉を噛み締めています。
日本の音楽界の礎を築いた敬愛する諸先輩方や仲間たちの顔が懐かしく思い出されます。
若くして亡くなってしまった方々も沢山いらっしゃいました。
新型コロナの影響で暫く会えていない方々も多くなりました。
最近も私と年齢の近いテノールの宮崎義昭さんが亡くなり、ショックを受けています。
宮崎さんとは藝大演奏芸術センターでも教えていらした映画監督の実相寺昭雄先生(ウルトラマンの演出のというとわかりやすいでしょうか)を2000年の二期会オペラ『魔笛』の演出に引っ張り出した際にも、公演監督補佐をお願いし、音楽界の過去、現在、未来について語り合ったものでした。
そして、優れた声楽家の中には四国出身の方々も随分沢山いらっしゃいます。
私よりも若い同郷のお二人が、今年、3月と7月に進行性のご病気で立て続けに亡くなってしまいました。
ソプラノの佐竹由美さんが62歳、バスの長谷川顯さんは65歳。
まだまだ活躍が期待されていたのにと残念でなりません。
慎んで生前のご功績を称えるとともに、心よりお悔やみ申し上げます。
佐竹由美さんは高松一高から藝大へ進んだ美声なソプラノで英米歌曲のスペシャリストやオラトリオ、オペラで活躍し、夫君は合唱指揮者としても知られる辻秀幸さん。
バスの長谷川顯さんも高松一高から国立音楽大学へ進み、二期会合唱団に入られてからは15年間も全国を廻っていらしたそうです。日本の合唱その後、才能を認められ96年『ワルキューレ』でソリストとして同じプロダクションに出演なさいました。(私はヴォータン、長谷川さんはフンディング)
https://opera.tosei-showa-music.ac.jp/search/Record/PROD-00492
96年7月東京二期会オペラ劇場
ヴォータン:多田羅迪夫
撮影:鍔山英次
その後、ワーグナー作品では、2002年『ニュルンベルクのマイスタージンガー』や2005年『さまよえるオランダ人』の稽古でご一緒したのも懐かしい思い出です。
#日々是精進