2022年10月16(日) 出演情報 The Telephone
Musica Felice主催「アリアはお好きシリーズ」
The Telephone(or「L'amour a trois」)
2022年10月16(日)「アリアはお好き?」Vol.15
~ The Telephoneとアメリカ生まれの曲たち ~
14:30開演 17:30開演 2回公演
後半:メノッティ「電話」(日本語上演)に出演します。
MUSICASA (ムジカーザ)
小田急線・東京メトロ千代田線 [代々木上原駅]東口より徒歩2分
https://www.musicasa.co.jp/information/index.html
出演▼久保由美子(Sop) 多田羅迪夫(Bs-bar) 浅野和子(Pf) 粕谷ひろみ(Act)
¥4,500(一般) ¥1,000(小中高校生)
オペラ「電話」(または三角関係)The Telephone(or「L'amour a trois」) 日本語上演
作詞・作曲 ジャン・カルロ・メノッティ (Gian Carlo Menotti 1911年7月7日、カデリアーノ=ヴィコナーゴ - 2007年2月1日、モンテカルロ)95歳没
初演:1947年 ヘックシャー劇場(ニューヨーク)
上演時間:1幕 約30分
物語は、ルーシーとベンの二人芝居
「電話」は35歳の頃の作品で、インテルメッツォの形をかりた明るくコミカルな作品です。
今のようにメールやラインで連絡できなかった時代、顔の見えない「電話」が一番の連絡手段だった時代です。
旅立ちの前に、ルーシーにプロポーズしようと贈り物を持ってやってきたベン。列車に乗る時刻までは1時間しかないのに、のべつまくなしに電話が鳴って、ルーシーは長電話。
ベンはなかなか本題を切り出すことができません。女友達マーガレットとの長電話に間違い電話、時報をたしかめたかと思いきや、ジョージからの電話で喧嘩となり傷つき泣き出すルーシー。もはやベンが電話線を切ろうとすると怒りだしたルーシーは、今度は、パメラへ電話。時間切れとあきらめかけたベンは出かけ、外から電話でプロポーズ。即座にOKしたルーシーだが、「でも私の電話番号を忘れないでね。そして毎日電話してね。」と。
1947年といえば、私が生まれた年。メノッティの没日が誕生日ということもあって、
なんとなく親しみを覚えています。95歳までの長寿というのも見習いたいですね。
きっと、ベンのように寛容で怒ったりしない性格だったのでしょうか。
メノッティはイタリア生まれの作曲家。ミラノ音楽院で学んだのち、1928年から33年までフィラデルフィアのカーチス音楽院に移り、それ以降はアメリカに居を構える。カーチス音楽院時代に同年代の作曲家、サミュエル・バーバー(Samuel Barber、1910年3月9日 - 1981年1月23日 70歳没)と親交が始まり、作曲家のサミュエル・バーバー(男性)とは40年余りパートナーとして同棲し、バーバーと別れた後は、指揮者のトーマス・シッパーズがパートナーだったとか。
まだ女性の社会進出が過渡期でジェンダーギャップがあった時代なのでしょう。男性から贈物を受け取り、きりのないおしゃべりで長電話、別のボーイフレンドと電話で喧嘩し泣き出したり、怒ったり、最後は電話でのプロポーズに応じ、これからは毎日電話してねと甘えるルーシー。メノッティの作品の中の女性たちはなんだかあまりよいイメージで、ちょっと偏見もあるのか気の毒な気もするのですが、アメリカの国力がピークに達していたのは、1945年頃と言いますので、そんな時代に書かれたコミカルな作品を、スマートフォンやSNSが普及した現代に、時代の変化を感じながら、日本語で上演します。30分足らずの短い作品なので、気楽に楽しんでください。
メノッティは1936年から1993年にかけて27のオペラ作品を作曲し、中でも《霊媒》The Medium(1945)、《電話》The Telephone(1946)、《領事》The Consul(1949)、世界初のテレビ用オペラ『アマールと夜の訪問者』がよく知られています。
『アマール』は、1952年に旗揚げされた「二期会」で、1954年12月に石桁眞禮生作曲『河童譚』との二本立てで、俳優座劇場において、日本初演されています。クリスマスイブが初日でのなんと9公演。畑中良輔台本・畑中更予訳詞。演出は栗山昌良先生。青山杉作さんの演出助手をなさっていたのが、この二本立てで、28歳の時に、本演出家デビューされたのですね。
二期会史によれば、演奏=ラモー室内楽団と記載されています。見てみたかったなぁ。
それにしても栗山先生(1926年(大正15年)1月18日 - )は御年96歳。令和4年9月の二期会『蝶々夫人』も栗山演出でした。67年以上の歳月を日本のオペラに貢献されているのは驚嘆すべきことです。